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下部消化管X線検査

1.大腸の検査(注腸検査)とはどんな検査?

 この検査は、X線写真を撮影するベットの上で、うつぶせや仰向けになったりして動いていただき、

大腸に関する炎症性の病気、ポリープ、その他をレントゲン写真により診断する検査です。
 大腸はそのままではX線写真には写りませんので、造影剤(いわゆるバリウム)を肛門から大腸に

注入して大腸の壁がよく見えるようしてから写真を撮り、病変の有無を診断する検査です。
 大腸は、便を肛門の方へ送り出そうとするために随時動いています。この動きは、検査を行う上で障害のひとつになります。したがって、時に、検査前に、きれいに大腸の写真を撮影するために、注射します。(筋肉注射、時に静脈注射)注射を射つことにより一時的に上記の現象を抑制します。心臓病や緑内障、前立線肥大の疑いのある、若くはそれらの病気にかかっている患者さんは、事前に医師に申し出て下さい。バリウムを注入する管は肛門から約3センチしか入れませんので、違和感は少しありますが、苦痛感はまずないでしょう。

 

2.大腸の検査を受けるにあたっての準備、注意事項

 普通は、検査前々日の夜から食事制限が始まります。食事内容は、各検査を受けられる施設の指示に仰ぎ、早めに就寝しましょう。最近では、注腸専用食として、パックになって食事制限ができるものも販売しております。また、検査の前処置薬として、下剤などをお渡しします。これは、少しでも、大腸内をきれいに掃除し、自然体で検査に臨める為の準備です。もし、便が残ってたりすると、バリウムが奥まで入らなかったり、便と病変との区別ができなくなったりします。したがって、大腸の中に便を残さないようにするために下剤を飲んで頂きます。検査当日は、ゆったりした気持ちで検査を向かえれるように検査前の排便は必ず行いましょう。検査前の排便は、水様便になるのが普通です。

 

3.検査開始、検査中のお願い

 検査時間は約15~20分程度です。  服装は検査専用着に着替えますが、バリウムがこぼれて下着など汚す可能性があります。そのため、検査中はできる限りの軽装になっていただきます。また、専用パンツを履いて検査に臨んでもらいます。
 実際の検査は、X線写真を撮影するベットの上で、肛門に細いゴムのチューブを約3センチ程挿入します。そのチューブから、バリウムを約300cc注入し、次に空気を注入して腸管を膨らませます。少し下腹が張ったような感じです。そして、ベットの上でうつぶせや仰向けになったりして動いていただき、バリウムを大腸の隅々まできれいに付着させてからX線写真を撮影します。いざ、検査のベットの上に寝てみると以外に誰でも少なからず緊張するものです。検査中に、うつぶせや仰向けになったりして動くのが焦ったりしてうまくいかないかもしれません。マイクの声に慌てずに動くとよいでしょう。何故なら、マイクからの説明はひとつずつしか指示はないのですから....。
 また、大腸の長さや太さや走行は個人差がかなりありますので、検査時間は、それらによっても変わってきます。そして、検査中、下腹が張ったような感じでガス(おなら)がでそうになるかもしれません。なるべく、検査終了までがまんしてください。

 

4.検査終了後は?

 検査中、がまんしていたガス(おなら)は出してもらって結構です。それでも、下腹が張ったような感じがまだ残るかもしれません。それも少しずつ軽減するでしょう。半日以上(個人差はあります。)たっても治まらないときは診察してもらってください。
 また、検査後は前々日から満足に食事もしていませんし緊張もとれ、ほっとして空腹感が出るかもしれません。通常通りに食事をしてもかまいませんが、暴飲暴食はなさらずに、あっさりとした食事からまた始めてください。検査後も大腸をいたわりましょう。

 

5.大腸検査の造影剤とは?

 バリウムはX線撮影に行うと、写真には白く写ります。しかし、大腸の内腔の壁は、通常、簡単にいうと凸凹です。この凸凹にバリウムを付けて病変の有無を調べます。より凹みがあれば、バリウムは溜まるので白く写り、より凸があれば、バリウムがはじくので黒く写ります。また小さな凹みや凸でもその形や深さや高さの見極めもこの検査でわかります。したがって、大腸の内腔の壁に食物や水分、粘液などがあればあるほど検査の精度は落ちてしまいます。
 以上をもって、少しでも前処置の大切さというものがおわかりいただけたでしょうか。前処置も検査の中の重要なウエイトを占めているのです。

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