1.胸部X線撮影
 胸部X線撮影は最も一般的で頻度も大きい撮影です。箱のような物(この中にフィルムが入っている)に胸を付けて“息を吸って、止めて下さい。”と言って撮影しますが、これは誰もが一度は経験されたことでしょう。
 一般検診の胸部X線撮影はこのように立位の正面像の撮影を行っています。大きく息を吸うのは、肺の容積を大きくして肺全体がよく見えるようにするためです。また、検査目的によっては、いろんな方向から撮影したり、特殊な撮影(断層撮影、気管支造影、血管造影 等)も行います。
 では、この胸部X線撮影で何がわかるのでしょうか?実は、肺野、縦隔部(心臓、胸部大動脈、気管、食道 等)の疾患がわかるようになっています。主に肺野では、肺炎、肺癌、肺結核、塵肺、気胸、サルコイドーシス、肺気腫、肺繊維症 等、縦隔部では心臓疾患(先天性心疾患、弁膜疾患、心筋症、心膜炎 等)、大動脈疾患、胸腺腫や悪性リンパ腫等の縦隔腫瘍 等々たくさんの疾患が挙げられます。


2.腹部撮影(腹部単純撮影)

 腹部の撮影では“息を吸って、はいて、止めて下さい”といって撮影することが多いです。それは胸部撮影の場合とは違って、腹部では息をはいた方が横隔膜が挙上して腹部の容積が大きくなり広い範囲で観察出来るためです。撮影方法一般的に立位(立って撮影)と仰臥位(上向きに寝て撮影)の写真を撮って観察しますが、特に立位では消化管に孔が開くことによって空気が腹部内に入り、横隔膜の下に三日月型に溜まった様に写ります。これを“フリーエアー”と言います。
 又この他にはイレウスや結石の有無等もわかります。イレウスとは腸閉塞のことで、腸管の機能が何らかの原因により正常でなくなる病的状態をいいます。X線写真では腸が詰まることによって所々にガスの溜まった所ができ、それがガス像として認められます。


3.骨撮影

 骨撮影は頭の先から足の先までいろんな部位を撮影し、またその撮影方法も多くあります。これらは骨折の診断に使うということはよく知られていますが、それ以外には以下のものが挙げられます。
 脱臼、骨奇形、骨変形、発育状態観察、骨粗鬆症、骨軟化症、くる病、骨腫瘍、慢性関節リウマチ、変形性関節疾患 等
 上記に挙げた中で骨粗鬆症は専用の機器を使って測定出来るようになっています。最も複雑で多様な撮影部位は頭部で、あらゆる方向から撮影します。と言うのも頭部には、神経や血管が通る孔が多くあり、その孔がいろんな方向に形成されているため、よく見えるように頭に角度をつけて撮影するのです。
 骨撮影で大体は同一部位の2方向撮影を行っていますが、それはX写真が平面なので立体的な情報が得にくい為に正面と側面の2方向から撮影することが必要になるのです。また患部測と健康測を比較するために一度に撮影する時もあります。“動かないで下さい”と言うのは、X線写真がボケてしまうのを防ぐ為です。(普通の写真でもピンボケすると見にくいですよね)